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2024.01.17 中小企業が働き方改革で取るべき具体策は? 働き方関連法で変わる変更点と罰則など紹介

中小企業が働き方改革で取るべき具体策は? 働き方関連法で変わる11の変更点と罰則など紹介

働き方改革関連法の施行は、中小企業での働き方にも大きく影響します。慢性的な人手不足の解消、長時間労働や賃金格差の是正などに向けて動き出す機会でもあります。今回は、働き方改革関連法で変わる変更点と施行時期や実施しなかった場合の罰則の有無、導入の際のポイントや注意点について解説します。

「働き方改革関連法」とは?

「働き方改革関連法」とは?

「働き方改革関連法」の正式名称は、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」といいます。長時間労働の是正や多様な働き方の推進、雇用形態に関わらない公正な待遇の実現などを目的とした8つの労働法の改正を行うための法律で、2018年6月に成立し、2019年4月から施行開始しました。

ただし、項目によってはどの企業も一斉に開始すべきものと、大企業と中小企業、または建設事業、自動車運転業務、医師など、業種によって開始時期が異なるものがあるため注意が必要です。

「働き方改革関連法」の目的は?

「働き方改革関連法」の大きな目的は、少子高齢化に伴う労働人口の減少や、介護や育児と仕事の両立など、社会全体や労働環境のニーズの変化に伴い、多様な人が働きやすい職場環境をつくること。将来に向けた「働き手の増加」「出生率のアップ」「労働生産性の向上」の実現を目指しています。

中小企業における働き方改革関連法の変更点と施行時期・罰則有無

中小企業における働き方改革関連法の変更点と施行時期・罰則有無

働き方改革関連法で、中小企業の働き方はどのように変えていく必要があるのでしょうか。すでに施行されているものもあり、従わない場合は罰則などもあるため、変更点を的確に把握しなければなりません。

ここからは中小企業の働き方において重要な変更点を6つピックアップし、詳しく解説します。

※参考:「中小企業・小規模事業者の定義

1.時間外労働の上限規制の導入

企業は残業時間の上限を月45時間・年360時間とし、この時間を超える残業は認められません。臨時的で特別な事情があって発生した業務などを行う場合、労使間の合意の上でこれを超える残業が生じたとしても、年720時間を超えてはならないと定められました。
【施行日】2020年4月1日
【罰則】違反した場合、6ヵ月以下の懲役、または30万円以下の罰金

 2.勤務時間インターバル制度の導入促進

残業時間が長くなることで生じる従業員の休息時間の減少や体調管理を目的とした制度です。業務終了後、翌日の勤務開始までに一定の休息時間を設けて、睡眠時間や生活時間に充ててもらう仕組みで、従業員の健康のため取り組む必要があります。
【施行日】2019年4月1日
【罰則】なし

3.年5日の年次有給休暇の取得

年次有給休暇付与日数が10日以上の労働者は、従業員本人の希望を聞いた上で、あらかじめ会社が指定した時季に5日以上の有給休暇を取得させることが義務付けられました。従業員ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存する必要があります
【施行日】2019年4月1日
【罰則】休暇取得させない、取得した社員を不当に扱うなどの違反には、従業員1人につき30万円以下の罰金

4.月60時間超の残業の割増賃金率引き上げ

時間外労働の割増賃金率が、25%から50%に引き上げられます。それに伴い、月60時間を超える時間外労働を深夜(22:00~5:00)の時間帯に行わせる場合、法定時間外割増賃金率50%+深夜割増賃金率25%=75%の割増賃金が発生することになります。今まで以上に従業員一人ひとりの労働時間の把握が重要になります。
【施行日】2023年4月1日
【罰則】適用時期を過ぎても50%に引き上げない場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

5.労働時間の適正な把握

裁量労働制が適用される労働者や管理・監督者においては、タイムカード等による勤怠記録、PCなどにおける電子計算機の使用時間の記録などの方法で、客観的な労働時間の把握が義務付けられました。出勤簿やタイムカードなどは3年間の保管も必須となります。
【施行日】2019年4月1日
【罰則】なし

6.産業医・産業保健機能の強化

従業員の健康状態やリスクを把握するための仕組みとして、産業医・産業保健機能が強化されました。産業医へ健康管理に必要な情報の提供、従業員からの健康相談などに対応し、企業として従業員の健康を守る取り組みになります。
【施行日】2019年4月1日
【罰則】なし

この他、「フレックスタイム制の清算期間の延長」「高度プロフェッショナル制度の導入」「不合理な待遇差の禁止」「労働者に対する待遇に関する説明義務の強化」「行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争手続(行政ADR)の規定の整備」など、全部で11の項目で変更がなされました。

中小企業が働き方改革へ取り組む際のポイントと注意点

中小企業が働き方改革へ取り組む際のポイントと注意点

働き方改革をスムーズに進めていくためには、何からどのように始めれば良いかを整理する必要があります。「労働時間の削減」と「同一労働・同一賃金」に焦点を当て、中小企業の働き方改革実行のポイントとなる取り組みを紹介します。

業務効率の見直し

労働時間削減のために欠かせないのが、業務の効率化です。残業時間の減少や有給休暇取得によって労働時間が短くなる中で、生産性を落とさないためには一人ひとりの業務効率を高める必要があります。企業側が従業員の労働内容を把握できていない状況や、ICT導入や DX化が進まないといった状況では、労働時間の削減が難しくなります。業務マニュアルの作成やペーパーレス化、AIを活用するなど、アナログで行なっている業務をデジタル化するだけでも、業務効率改善につながることでしょう。

就業規則の整備・多様な働き方の導入

企業の業務効率と生産性向上を図るためにも、従業員一人ひとりのライフスタイルや能力に見合った働き方が必須となります。就業規則の整備や改善、テレワーク制度、フレックスタイム制度、高度プロフェッショナル制度なども検討しながら、個々の従業員に最適な働き方を導入しましょう。

労働時間の適正な管理と賃金の見直し

働き方改革では、正社員と非正規雇用従業員の不合理な賃金格差が禁止となりますが、同一労働・同一賃金は従業員のモチベーションにも影響を与える可能性があります。従業員の業務内容と労働時間を管理し、賃金そのものを見直しつつ、成果を上げた従業員には報奨を与えるなど、働きに見合った待遇を用意できる仕組みを整える必要があります。

社員教育

中小企業の働き方改革で何よりも必要なのが、管理職と従業員の意識を変えるための教育です。働き方改革を実行したとしても、従業員全員が理解し、意識して取り組まなければ働き方は変わりません。また、テレワークなどの多様な働き方に対応するためにITリテラシー教育を徹底することも必要でしょう。さらに専門知識の取得といった従業員への教育投資は労働生産力の向上へつながりますので、企業全体で生産性を向上させる働き方改革に努めましょう。

まとめ|中小企業の働き方改革で、より良い労働環境の実現を

中小企業は従業員とのコミュニケーションが取りやすいため、一人ひとりの従業員の境遇や考えに寄り添った働き方を提案できるというメリットがあります。企業全体の生産性向上、業務効率化、より良い労働環境を目指して、働き方改革を進めていきましょう。

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近藤商会では、お客様の働き方改革を推進するため、設備の導入やセキュリティ対策はもちろん、テレワーク支援のための根本的な業務の見直し等を行っております。お客様の状況に合わせ、業務改善につながる最適なプランを提案させていただきます。

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